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「雨月物語」。


1953年にできた映画です!
ヴェネチア国際映画銀獅子賞。
モノクロ。
上田秋成原作の「雨月物語」から二つの物語を合わせてひとつの話にしたものですが、映像も美しく、話もいいものでした。

琵琶湖の畔。
時は織田信長の安土桃山のあとでしょうか?

 

陶芸家の夫婦とその妹夫婦が助け合って生きている。

 

あの頃の日本の庶民の暮らしは貧しく、陶芸家も作品が売れて正月の支度の餅が買え、妻に小袖も買って、子供にも晴れ着が買えて、幸せな未来が待っているような楽観的な気持ちが漂う。

 

 陶芸をもっと売ろう。もっと大きな街ならもっと売れる。

 

 妹の夫も、義理の兄の手伝いをして3分の1のお金をもらえると武士となって出世したいと言う夢を見る。

 

 琵琶湖を渡り、街に出ようとするが海賊が出て船に死に人が残されているのに出会う。

 

 戦乱のただ中で、どこも安全でない。女性は隠れてないと強姦されてしまうような危ない世相である。

 

 それで、兄は妻子を村に返し、妹は武士に成りたがるおっチョコチョイの夫を見張るためについて船で街に出る。

 

 街で陶芸が売れると、義理の弟は武士になるための鎧や槍を買う。妹は荒くれものにさらわれ、強姦され、女郎にさせられてしまう。

 

 陶芸家は美しい品のいいお屋敷のお姫様と乳母に作品をたくさん買い上げられ、作品を届けることになり、京マチ子の演ずる美しい姫と契りを持ち、妻子を忘れてしまう。ある日、街に出て「死相が出ている。」と呼ばれ、体に梵字を書かれ、死に誘う姫より目を覚めよと、僧が言う。

 

 屋敷に帰ると、乳母が体の梵字を拭えというが、姫も乳母も苦しそうで、いつのまにか寝た陶芸家が目を覚ますと、屋敷は荒れ果て、近くを通りすぎた武士たちが、その屋敷はとっくに滅びたと笑う。

 

 義理の弟は切腹して首を跳ねられた武士の首を持って大将のところに持っていき、上手に家来になり自分の部下もつけてもらい出世する。

 

 部下をつけて女郎屋に休息すると、別れた妻に会い、「あなたの出世のために自分は身をやつした。」となじられるが、「お前のために出世したかったので、もとに戻ろう。」と二人で村に帰る。

 

 陶芸家の妻(田中絹代)は、戦乱のなかで槍で殺され、子供は村人が代わりに育てている。

 

 陶芸家が村に帰ると家は荒れ果てているが、妻は夜なべの縫い物をしていて、酒も料理も出して寝ていた子を抱かせてくれる。

 

 酒に酔っていい眠りで起きてみると、妻はいない。子を育ていてくれる村人が来て、子供が家に帰ったのは父親が帰ってくるのを、虫が知らせたのだろうと言う。妻は槍で殺されて、子供を自分が育ててきたと言う。

 

 夫婦がもとに戻った妹が子供に食事を与えると、子供は母親のお墓に食事を運び手を合わせる。

 

 陶芸家は相変わらず、ろくろで陶芸を作り、窯で焼く。

 

 妻は出世やお金など要らないと言っていたのだ。親子3人で暮らせればいいと。

 

 陶芸家は「人生は失ってそんな大切なことがわかるのだな。」と言う。

 

 戦争と言うのも愚かしく、本当に人間はいつもおろかなのである。

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