August 19th, 2007

星響きあう大地 8月18日の日経新聞から

 夏の大三角。こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブ。
 8月19日は旧暦の七夕。
 この夜は織女(ベガ)と牽牛(牽牛、アルタイル)のほかに、上弦に近い月もかかるようになる。織姫と牽牛は年に1度の逢瀬を楽しみに7月7日を迎えるが、この日に雨が降ると天の川の水かさは増し、織女は川の向こう岸にいる牽牛のところにいけなくなる。月の船人はつれなく織女を渡してはくれない。織女が悲しんでいると、かささぎの群れが飛んできて、羽と羽を重ねて箸をかけ、織女を渡してやるのだという。
 七夕は中国伝来の乞巧奠(きこうでん)とわが国固有の「たなばたつめ」の信仰とが習合したものと言われ、奈良時代に宮中の儀式として行われ、江戸時代に民間に広まった。織女の日本名は「織り姫」のほか、「たなばた」「たなばたつめ」などあるが、織姫のすぐ脇のε(イプシロン)とζ(ゼータ)のふたつの星を「七夕の子ども」、β、γ(ガンマ)、δ(デルタ)、ζ(ゼータ)の4つの星で作る平行四辺形を「瓜(うり)畑」と呼んでいる。
 こと座のギリシャ神話には、不慮の事故でなくなった妻を取り戻そうと、冥土に旅たつ琴の名人オルフェウスの物語がある。琴座を見上げただけでも、さまざまな情景が浮かぶ。



私はルドン展に行った。
 東急文化村の無料チケットがあったので銀行に間違って古い通帳を持って行ったので文無しの私でも行けた。ルドンは青春の暗さがある。
「ルドンの黒」とサブタイトルがあったが、石版画の線と面をなす黒のグラディエーションは
深く深く心に迫った。
1842年、フランスのボルドーに生まれる。てんかん資質。兄は音楽の天才。弟も建築でローマ賞を取るような家の次男。40歳のとき結婚。長男の死。49歳で次男誕生。50代から認められ、64歳で国家が作品を買い上げる。65歳でレジオン・ドヌール賞。1916年で76歳で死ぬ。
 私は天使や花を描いた油絵が好きだ。ルドンの見た悪魔や怪物は想像だったのだろうか?
両親は彼が幼いときに彼がてんかんであるのを気にして奇蹟のおこる寺院に連れてっていたとか。宗教的な作品が多い、スピリチュアルなテーマだ。


 私は「美の巨人」をテレビで見て、無名のまま漁師をしながら絵をえがいた画家の人生に感銘を受けた。それで、有島武男の「生まれ出づる悩み」のモデルだと知り本をアマゾンに注文したのが届いた。作品を作る時間と経済に恵まれたルドンのような人もいるけれど、多くは貧困と無理解のうちに制作する。生活のために家族のために事情がそうなれば、たいていは生活を選ぶであろう。彼はとても優秀な漁師で体格もよく家中で唯一の働き手であった。有島武男が突然訪れた漁師の作品に感じ入ったが、漁師の本気な絵を描くことへの意志は独学で学びつづけた。そして、テレビでは立派な美術館が北海道に建っていた。
 有島武男は著書で「神は漁師をやり続けるか、それを捨てて芸術に専念するか示唆擂るだろう。」と書いた。運命が選ぶのだ。
 もう、一度読もう。