May 2nd, 2009

四川のうた

 朝9時15分から5時間中国語をして、眠かったのですがとなりの蕎麦屋で蕎麦を食べて、そのまま渋谷の円山町の「ユーロー・スペース」に行きました。
成都の町の工場が商店街やマンションの二十四城になってその前の工場で働いていた人達の生活を語ったものです。


 眠かったので、上映中かなり寝てしまいました。しかし、満席です。
4時からのをもう1度見る気力はなく、近くの「パンの木」に行って珈琲とケーキーを食べました。

映画の説明はもう1度観てからにします。

誰にも推し量れない他人の生活!

 ある人が私の生活を「普通の人なら耐えられない過酷な生活。」と言った。
 ある人は「縷衣香さんは幸福の塊だ。」と言った。
 若い時は「あなたほど幸せな人はいませんよ。死ぬ時にわかる。」と言った。

 私自身は他人と比べることは出来ないが、振り子の幅が相当大きいという認識だ。

☆1昨年の「蚊帳教会」の参加者のかたたちの美しい写真です。




☆今日はお昼の支度をしてから渋谷のユーロー・スペースに行き、始めから終わりまで「四川のうた」中国名「二十四城記」を観ました。その足で東急文化会館で「忘れえぬロシア」の国立トレチェコフ美術館蔵を観て、東急地下で夕食の支度をして、帰って直ぐ料理して3人で夕食を終えました。東急本店前で「ビッグ・イッシュー」を売っていたので買ったのですが、マメな販売員で本の間に自己紹介プリントが入ってました。若い人でした。



☆「二十四城記」は、やはり2度観て正解でした。ずいぶん寝ていたようです。
 二十四城というのは「芙蓉の花咲く 成都 二十四城 城は古より栄えたり」の古典から取った名前です。

 2007年、中国四川省・成都。巨大国営工場「420工場」が、今まさに50年にわたる歴史に幕を閉じようとしている。解体される工場には3万人の労働者が働いていて、10万人の家族が住んでいたという。この映画を撮影したあとに四川地震が起きた。
監督は「長江哀歌」のジャ・ジャンクー。2009年3月6日に中国40都市で封切られたこの映画は3日間で100万元(約1500万円)の売り上げを記録したという。デビュー作から2005年までは中国政府から上映禁止処分を受けていたという。

 巨大国営工場420工場は政府の機密機関であり、解体によって3万人の失業者や10万人の路頭に迷う人を生んだ。現場の働き手に多くインタビューし、あるときは本人に有るときは俳優にその生活を語らせた物語である。

☆工場労働は過酷である。
 また咸陽から成都に働きに来た人達の失ったものへの悲しみもある。
 若い時代の人から見ると工場で管理され働かされてきた両親の人生はなぜか惨めだが、大人たちは年相応に疲労し体が障害にきたしつつも一生懸命に生きてきた悔いのない誇りが有る。

 美しい小花といわれる40代始めの女性。皆から映画のスターの小花に似ているといわれ職場のアイドルであった。彼女自身がその映画の主役を演じているのだが、映画の中では似ているから小花と言われたということになっている。美しい彼女は職場のアイドルであって、今も美しいが30歳を過ぎて縁談は子連れの再婚の話ばかりになったという。最近のお見合いは彼女に憧れていつかは一緒になれると頑張った貧しいレンガ工。今はお金持ちの社長。しかし、彼女は断わった。彼女は涙を流しながら「自分の友人はもう大きな子がいる。でも離婚した人もいる。今は好きな音楽やマージャンがあるから工場の精密部で働いていて楽しい。」という。

 貧しい青年の初恋の人は医学部に入学した。彼も医学部へ行きたかったが親から反対され技術部で働いた。ベトナム戦争が終わり工場の仕事がなくなると彼女から「私達はまだ若くて未熟だから」といわれ、「じゃ、別れよう。」と言った。彼女は当時流行った山口百恵の「赤い疑惑」の主人公の髪型をしていたという。

 船に乗るとき子供を迷子にして失った母親。

 成人して初めて母親の働く工場現場をみて、その惨めさに新しくできる二十四城の高級マンションに絶対住まわせると決意するバイヤーの娘。

 繰り返しの作業の工場労働をすぐやめて、ニュースキャスターになった青年。

 時代とともに新しい人生観を持つ若者が奴隷的な生活から自立へと試行錯誤を始める。

☆たまたま家にあった2週間前の「ぴあ」に東京画廊の山本さんと監督の対談が載っていた。
 どのような人生にも同格の美しさと喜びと悲しみがあるという監督の温かい目。
東京画廊は「学歴社会なのですよね。アートの世界も学歴社会です。」と言うが、違う気がする。

☆人間は実に公平だというのが私の感想だ。
 監督の気骨な体制への批判的な視線。
 そして力ない庶民の逞しさや生きる知恵。
 愛さずにはいられない。
 中国はまだ貧しい。でも何かとほうもないエネルギーを感じる。
 
 そう言えば昨日は上海万博の1年前とのこと。80年代生まれの若者はパーリンポウと呼ばれ、貯金もせず明日のことを考えない若者だという。

☆さて、私の生活。
 褒められたものではありません。
 でも、これしか出来ないって感じです。
 少しでも無駄をせずに頂いたチケットは活用します。
 一応、主婦に任務を最優先してます。
 頼まれた仕事はまずやりますね。
 忙しいけれどどこかを投げ出したら、もっと辛い気がします。
 だから、後悔って無いです。能力は仕方が無いでしょう。
 又、美しく磨きこんでいる方達は好きですが自分はその時間は掃除したり本を読んだりで精一杯です。
 自分では幸福とか不幸とかはあまり考えないです。
 他人を喜ばすのかなり好きです。
 ま、大した人間ではないですね。

 私の忙しいのはほとんど神の意図です。それで倒れたらそれも神の意図ですね。きっと!
 主に感謝!

 今日の「ビッグ・イッシュー」に作家の岩井志麻子さんが離婚しておいてこられた息子さんがお母さんのところに望んで来て、若い韓国人の夫の3人で暮らされているそうです。
平凡に感謝。平凡であることの幸せを書かれてます。平凡を全うしたいと書かれてます。
 「ミルク」を演じたショーン・ペンが「オバマは本当の意味での上品さが備わっていて、真の知識人だ。オバマはいろいろな意味で僕達の生活水準をあげてくれるよ。」とも書いてありました。

 私は文化人とか言われる人の使命は生活水準の引き上げだと思うのです。
考えるきっかけや戦う勇気を与える書物や映画は本当に必要だ。
苦しい生活を乗り越えてきた中国人の多くはこの映画で救われたでしょうね。

☆おそらく私の両親も多くの誘惑から最後の砦として護ったのが平凡な幸福だと思います。
好きな人がいてもブレーキをかけて生きてきたのでしょう。

 この素敵な映画のお蔭で平凡人の思いが歴史に光明を作っていくのだなあと確信しました。