January 31st, 2010

「ずるい人に騙された時にどう生きるか」加藤諦三 PHP研究所

 「世の中にはあなたを不幸にする人がいる」P1から始まる。この本はこの世を生きていくのにはなかなか参考になる本である。

 悪い人と良い人の定義はたくさんあるけれど、あなたを不幸にする人は悪い人だといいきれる。オレオレ詐欺や婚活詐欺でお金を取られたり命をとられて幸福になったとは言えないのでこの人たちは悪い人である。

人間は幸福を求めて努力もするし勉強もする。その結果、幸福になる保証はないが、少なくても幸福を求めている間その先には幸福が待っていると信じる。甘い話や見かけのいい話に浮き浮きと心を踊らされた先に地獄があってお金の詐欺などでは心中やホームレスになったり、一生寂しい人生を送るような羽目になる。それが騙す人たちの悪人たる証拠である。

☆騙される人と騙す人の関係は、そのまま不幸な人とその周囲の人の人間関係と同じである。p1.
 周囲の人が嫌いなのに周囲の人との関係が続いている人は今どのような心理状態であろうか。どうすることもできない抑うつ状態なのではないか。p2.

 人が世俗の世の中で幸せになるためには、どうしても知っておかなければならないのが、ずるい人とその行動である。人が幸せになるためには「人を不幸にする人びと」の行動と心理をしらなければならない。p3.
この本は「人間の質を見分ける心理学」である。

☆この世の中では残念ながらたくさんの搾取タイプの人がいる。この搾取タイプの人と接することなしに生きるということはよほど幸運な人でないかぎり無理である。p6.

 搾取タイプの人というのには小さい頃からいる。
幼稚園の頃から搾取タイプの園児がいる。
ある質の悪い小学生である。自分の意思を言えない弱い仲間に目をつけた。そして、「糊、これ使っていいですか?」と聞く。聞き方は丁寧である。ところが見ているとそれを使い続けて返さない。貸したほうは返してもらいたいが「返してくれ」と言えない。その弱さが搾取タイプの人間に目をつけられてしまうところである。
そして搾取タイプは自分のことはまじめにする。それは真面目にしたほうが得だからである。
その搾取タイプの小学生は「今度お貸しするから、それを貸してくださる?」と言ってセロハンテープを借りた。最後にはセロハンテープを全部ものにしてしまった。
とにかく相手のものを捕っていく。人のものは何でも捕りたい。
言葉が丁寧すぎるときには、騙そうとしているので注意が必要である。まさに子供の頃から騙す人は言葉が丁寧である。p7.
 
第1章 騙されやすい人のタイプ
 淋しい人
 自分に自信がない人
 弱い人 やさしい人が狙われる
  「弱さ」はずるさを呼び寄せる
  嫌といえないと、ずるい人の餌食になる
  やさしい人は騙されやすい
  何を言っているかより、誰がいっているかが重要
 騙す人は困っているときに寄ってくる
  騙そうとする人は、あなたの味方を装う
  困っているときはカモになりやすい
 自己不在の裸の王様が騙されやすい
  私たちは他人の考えに左右されている
  なぜ人のことを鵜呑みにしてしまうのか
  言葉の裏にある心こそが大切
  過去を乗り越えることこそが生きること
  騙す人には社会的尊敬の念がない
  他者への興味と関心を持とう
  自分がないと、相手が見えなくなる

第2章 なぜ、騙されてしまうのか
  心身共に消耗しているときに騙される
   騙す人は相手が疲れるのを待っている
   生きることに疲れると危険を察知する本能が衰える
   こんな話には要注意
   交換条件を持ち出すのは、騙そうとしているとき
  酷い人をいい人だと思ってしまう理由
   相手を通して、自分の願望を見る
   なぜ人を見る目が養われないのか
  人は過去の経験にとらわれる
   私たちは「とらわれ」の中で生きている
   脅かされると悪くなくても脅えてしまう
   感情的記憶のたな卸しをしよう
   感情的記憶の克服法
  怯えが錯覚を引き起こす
   子供に甘える親
   詐欺師と思われない詐欺
   飴と脅かし
   脅かす人も脅かされる人も憎しみを持っている
   攻撃も迎合も、不安が原因
第3章 騙す人の手口
   「まさにあなたのように」の法則
    セールスマンの手口
    あなたの友人は本当の友人か
    人は似ている人には説得されやすい
   低めのボール作戦
    本当の目的は別にある
    なぜ人は儲け話にひっかかるのか
  「ちょっとだけ」は騙しの手口
    「ちょっとだけ」は悪質な言葉
    些細なことこそ主張しなければならない
    ずるい人は重大なことを「ちょっと」と言う
    頼まれたことの大小より、誰に頼まれたかで判断すべき
   軒を貸して母屋を取られる
    ずるい人に誠意を示すと馬鹿にされる
   複数で騙す手口はとても巧妙
    騙されたときには複数の人に狙われている
    騙す人は演技をしている
   最初に大きな要求をする
    交換条件を出す人は信用できない
    最初の要求は断られるための要求
第4章 騙す人の心理
   詐欺師のタイプ
    詐欺師は騙すたびに自分の価値を感じる
    騙す人は有能で、騙される人は馬鹿
    住む世界が違えば、善悪の概念も違う
    善悪より損得である
    憎しみがあるから残虐になれる
    騙す人も騙される人も愛情に飢えている
    受容的構えの人は援助者を求める
    ずるい人に利用されない方法
   なぜ要求はエスカレートするのか
    小さな譲歩が大きな譲歩を呼ぶ
    甘い汁が吸えなくなると逆恨みをする
   感情的恐喝で親切を強要する
    規範意識が強いと感情的恐喝をされやすい
    立派なことをいう人ほど、急に態度がかわる
    「私を信じられないの?」というのは裏切っているから
    感情的恐喝で相手を縛る
    質の悪い人は愛と正義の仮面を被っている
    感情的恐喝をする人はがらりと態度を変える
    感情的恐喝をする人は刃物での恐喝もできる
    美徳を振りかざすサディスト
    人は同じではない
   騙す人は人間の心理を熟知している
    最初に「はい」と言わないこと
    いったん「はい」と言うと断りにくくなる
    騙す人に良心の呵責はない
第5章 ずるい人から身を守るには
   義務なきことは行わず
    良識あるひとは他人に良識を強要しない
    ずるい人には良識は通用しない
    話かけられても答えてはいけない
    関係が切れたときに、初めて本当の姿がわかる
    憎しみが生まれるとき
   とにかく無視して返事もしない
    ずるい人はとにかく無視する
    親切は騙しの第一歩
    話だけでも聞いてはいけない

 エピローグ

以上が加藤さんの本の目次である。

☆☆☆
 縷衣香の私見

 私はキリスト教の教えの体現者でありたいと思っているので、やはり誰でもおんなじようにというポリシーはあります。
そして、騙す人はかわいそうだといつも思います。
他人を騙してお金を取ったり、コツコツと積み上げたものを横取りしてもその人は本当の幸福からは遠いところにいる。
騙して得たものはせいぜい2流まで、本物にはなりえない。

 しかし、この世を生きる側面としてこのような知識はためになります。
他人を騙して食い物にして人はどこへ行くのでしょうか?

 人間の質ということばが出てきますが、本当に人間には差がある。
上質な人間とだけ付き合えばいいというわけにはいかないのが人の世です。
いつも試されているということなのかな?