今日は朝から庭師が来ている!

☆
この本はとてもいい本だ。
作者は末井昭。彼は1948年生まれで時代感覚が等しい。

著者の母親は著者が小学校に入った頃に結核で入院していて なおる見込みがなく家に帰って来てから、不良になり、となりの10歳したの青年とダイナマイト心中をして30歳で亡くなったと言う。
岡山では自殺というのは後ろ指を指され、となりの家からは口をきいて貰えず、父親は引
きこもったと言う。
結核で接触を避けられていたので、母親とのお思い出は少ない。
☆大人になった彼は母親に優しい。
自殺する人を責められないと言う。
いじめられっ子だったが、お勉強ができて、父親はそれが誇りだったが、彼は高校を出て、工
場で働きたかったと言う。
工場で働くことはかっこいいと思った。そして、実際に3ヵ月働いて考え方の甘さに気が
つきやめたと言う。
私はテレビで鈴木奈々ちゃんが「私の亭主は工場で働いているんですよう。」と連呼する
ときに、工場で働くって本当に格好いいと思う。
☆よくいじめられたが、いじめっこにはいじめが癒しであり救いだと言う。
私も同感だ。
いじめっこが金銭を恐喝まがいのことをしたり、暴力を振るったり、心を突き刺す悪口を
はくときに、私は何処かでそれを許した。それで、スカッとするのだと末井氏は洞察する。
☆末井氏の母親がダイナマイト心中をしたのをしって、自殺のことを文章にしてほしいと
依頼されて連載中、多くの感謝や相談の手紙がきたという。
☆自殺の1番の原因は健康上の理由で、2番目は経済的な理由だと言う。
その二つで半分くらい。
☆著者のところには、20歳で両親が愛し合って車のなかで練炭心中した娘が出てくる。写
真家に荒木の写真集を残して、お金も姉妹がいきられるだけ残して死んだ。
それで、彼女は荒木を訪ね、氏のモデルをしたときに、「両親が死んで、きみは芸術家に
なった。」と言われたと言う。
芸術家には負の要因が全部正になるのだ。
☆著者は出版社を経営していて、趣味のパチンコや麻雀の本を出していて、競馬等も本の
テーマだ。
競馬の勝つ馬を的中するというホームレスに付き合いながなくなっても15年くらい毎月
送金していていきられるようにしたと言う。
3億の借金もしているので、お金を理由に自殺することはない。世間を理由に自殺するこ
とはないと言う。
彼は通信でデザインをならい、レタリングができるので看板屋の仕事をしてきたときに、
「デザイン批評」を読んでいたので、問題意識のある看板を作り、注文主に眉をひそめら
れたという。
そういう時代だったのだ。
裸になってストリートキングをするために水性の赤のペンキを頭から被って、カメラマン
の友人に撮影を頼んだ日に、奥さんから「何で赤く濡れているの?」と上着が赤くなった
のを問われた日に三島由紀夫が市ヶ谷で自決したと言う。
☆革命家の青年のなかにも自殺したのがいて、彼らはとても優しかったと言う。
☆日本では3万人以上の自殺者が毎年出ていて、実際にはもっともっと多いと言う。
彼自身も貧困とか底辺とか体験していると、パチンコも自殺をずいぶん救っているのだと
言う。
何も考えなくてすむのだそうだ。
存在悪と言うのもないのかもしれない。
☆表紙にはムンクの叫びが!

彼は自殺をしたい人を引き留められないが、自殺したいと思っていたひとがいきたいと思うと、よかったなと思う。