Ruiico (ruiico) wrote,
Ruiico
ruiico

Still life

たった一人で亡くなった方の葬儀を行う仕事をしているジョン-メイは、ロンドン市ケニントン地区の民生係。

私たち画家は、still  lifeのことは静物画として使います。

この主人公は42歳で独身男性。

仕事に誠実で、丁寧に整理整頓し、心を込める。

誰にも看取られずに一人で亡くなる人は、友達や親戚とも縁なく、不器用で孤独な人が多いけれど、

彼は残された遺物から、写真や手紙を選び、故人の知り合いを探し、宗教に沿って葬儀をし、参列者に来てもらう努力をする。

ジョン-メイ自身、友達もいないし、趣味もない。

彼は裕福ではなく、慎ましく規則正しい生活をしている。

小さな机にアイロンを置き、その空いた空間に、食事用のマットを置き、魚の缶詰、トースト、紅茶、りんごの質素の夕食。

職業柄、黒のスーツ、コート、白シャツ。黒のネクタイ。

お見送りした人たちは、貧しく寂しい。

猫相手に手紙を出す婦人や、死後何十日たって発見された人もいる。

戦争で人を殺した罪から解放されない人もいる。

向かいに住んでいたのに、知らなかった老人。

残されたアルバムから、彼の人生を知ると、労働組合の闘志だったり、ホームレスだったり、チョコレートを盗んで3ヶ月も刑務所にいたり、相思相愛の彼女がいたりした。

ホームレス仲間に話を聞こうとウィスキーをおごる。3人で回しのみをするのだが、ジョン-メイは嫌な顔をしない。

汚い死者の部屋も遺物も丁寧に拭き、死者への敬意を持つ。

穏やかで静な彼は、そうでない人生を決して冷たい目では見ない。

最後は、天国の話のようで、地上での生き方が誰にも評価されないようでいて、幸せかある。

涙が出たが、悲しいからでなく。

素敵だからだ。

Subscribe
  • Post a new comment

    Error

    default userpic
    When you submit the form an invisible reCAPTCHA check will be performed.
    You must follow the Privacy Policy and Google Terms of use.
  • 0 comments