
たった一人で亡くなった方の葬儀を行う仕事をしているジョン-メイは、ロンドン市ケニ
私たち画家は、still lifeのことは静物画として使います。
この主人公は42歳で独身男性。
仕事に誠実で、丁寧に整理整頓し、心を込める。
誰にも看取られずに一人で亡くなる人は、友達や親戚とも縁なく、不器用で孤独な人が多
彼は残された遺物から、写真や手紙を選び、故人の知り合いを探し、宗教に沿って葬儀を
ジョン-メイ自身、友達もいないし、趣味もない。
彼は裕福ではなく、慎ましく規則正しい生活をしている。
小さな机にアイロンを置き、その空いた空間に、食事用のマットを置き、魚の缶詰、トー
職業柄、黒のスーツ、コート、白シャツ。黒のネクタイ。
お見送りした人たちは、貧しく寂しい。
猫相手に手紙を出す婦人や、死後何十日たって発見された人もいる。
戦争で人を殺した罪から解放されない人もいる。
向かいに住んでいたのに、知らなかった老人。
残されたアルバムから、彼の人生を知ると、労働組合の闘志だったり、ホームレスだった
ホームレス仲間に話を聞こうとウィスキーをおごる。3人で回しのみをするのだが、ジョ
汚い死者の部屋も遺物も丁寧に拭き、死者への敬意を持つ。
穏やかで静な彼は、そうでない人生を決して冷たい目では見ない。
最後は、天国の話のようで、地上での生き方が誰にも評価されないようでいて、幸せかあ
涙が出たが、悲しいからでなく。
素敵だからだ。