Ruiico (ruiico) wrote,
Ruiico
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「ヴィオレット」を観て。


彼女は実在の人物。

シモーヌ・ボーヴォワールの友達でした。


 映画の最初のシーンに、

 女が醜いのは大罪で、美しいければ振り返り、
 醜くければ、その醜さに振り返えると文がでてくる。

 北フランスで生まれたヴィオレット。

 舞台はパリ。

第一次世界大戦中、同性者の男と偽装結婚し、闇でものを売って母と娘は生活しているが、捕まって留置されたりしている。

 男は愛を求めても応えてくれない。

ヴィオレットは私生児で恋人は、同性愛者や同じ私生児が多い。

ヴィオレットは容姿が悪く、俳優はわざわざ醜く見せるためにつけ鼻をつけたと言う。

 

最初の恋人は本を書く人で、ヴィオレットに文章を書くことを薦める。

映画では学校にもいかず、働いたこともないとのことだが、実際には祖母に育てられ、寄宿舎に入り、教官とセックスをしたために退学になった。

初めての小説「窒息」を、ボーヴォワールに見せに行く。

ボーヴォワールは読んでくれ評価をしてくれる。

本は出版されるが、本屋で見られない。売れなかったようだ。



 ボーヴォワールは同性愛者でヴィオレットは愛を望むが拒否される。

ヴィオレットは情緒不安定で生活苦から母親に私生児で生んだことを責め付ける。

ジャン・ジュネやゲランも私生児なので、引き寄せられるように友達だが、冷静なボーヴォワールは「第2の性」が話題になり、ヴィオレットを助けるために出版社を遠し毎月仕送りする。



 20年後、「私生児」がようやく、売れるようになり、南仏の一戸建てで落ち着いた暮らしをする。

 60代半ばで自宅で死去。母親もその後亡くなる。

直感で書くタイプの作家で、日本では「私生児」と「ボーヴォワールの女友達」が出版されているが、手に入り難い。

ジャン・ジュネもコクトーがずいぶん助け、文壇に出した。

ボーヴォワールは育ちも良く、あの時代に男性と同じ学問を修めた人だが、私生児と言う境遇の社会に抗わざるを得ない人に対する敬意はインテリジェンスのもたらすものなのだろう。

生きる不平等を、知識人はそれぞれの良心でバランスをとると言うことか。

☆監督は画家の「セルフィーヌ」を撮った人。

ヴィオレットは南仏のファコンで、幸せな晩年を過ごす。

フランス人もあまり知らない作家らしい。

格差のことや生まれながらのハンディのことや、それでも自分の賜物に生きられた幸福を思い、作家も大変だなあと改めて思った。



 フランスでは、初めてヴィオレットの全集が出版された。
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