Ruiico (ruiico) wrote,
Ruiico
ruiico

明け方までかけて読む。



☆お栄ちゃんの人生は北斎の死後、お栄ちゃんが60歳まで、書かれている。

 そのあとは、追跡が不可能だったのだろう。

 江戸の高名な絵師、北斎は後援者も愛好家もいたが、最後まで借金ある長屋暮らしのままだった。

 しかし、庶民にも侍にも愛され、葬式には多くの人が見送った。

☆お栄ちゃんが、絵の具を溶いたり、衣を張ったり、北斎画の背景や細部を描けたこともできたので、北斎にもなくてはならない助手であったが、北斎高名の暗部があって、孫の不良に大金を揺さぶられる日常。

 蒔いた種とは言え、先妻の娘の子供は、江戸のヤクザ風情の鴨として、博打に、結婚に大金を取られ放題。

 名声の危険な罠が付きまとう。

 この中でも、友情も仕事にも恵まれ、小布施に招かれたり、若い弟子が成長していく。

☆お栄ちゃんの人生は北斎の蔭に居ながらも、しっかりと、自分の人生を生きている。

 確かな画業。

 つい軽く見てしまった腕のない北斎の弟子との結婚と離婚。

 英泉との恋。

 二人で描いた春画。

 北斎の死後は武家の娘に絵を教えたり、作法本等の挿し絵。

 お栄ちゃんの実力を見てくれる世間もあった。

☆私も数冊のお栄ちゃんの画集や本やアニメの「百日紅」を、観ているので、本の中に書かれている絵は、すぐ、瞼に浮かんだ。

☆いつの時代でも、女性の画家は大変なハンディを背負う。

 しかしながらも、この仕事は絵が残る。

 苦しいときも、絵を描いている間は至福なのだ。

☆現代はいよいよ、生きにくい。

 お栄ちゃんが英泉と不倫してても、妻のお滝さんも北斎も粋な沈黙。

 大衆も野暮なことはいわない。

 芸術には魔物が住んでいる。

 その泥の中から、綺麗な蓮の花が咲くのだ。

 泥沼にまみれる勇気のないものは、花を咲かせることができない。

 安穏ではいられない。

 だから、尊いのだ。


 
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