Ruiico (ruiico) wrote,
Ruiico
ruiico

「若い日の自画像」を読み終える。

小島善太郎さんは明治25年生まれ、
24歳までのことが361ページにわたって細かく書かれている。


時代なのか内村鑑三先生にあったり、志賀直哉にあったり、安井曽太郎氏に師事していい時代だったのだと思う。


育ちは極貧で、貧しい人たちの過酷な生活もたくさん書かれているが、援助をしてくれた軍人の家で末のお嬢さんの学習院の登校にお供も仕事でそういう人脈ができたのが彼の幸運である。


今も昔も画家が食べて生きていくには色々な不義理や決断がいる。

両親が亡くなり、親戚は画家のような安定のない仕事をやめて堅気の仕事につくように言うが、夢は絵を描くことだ。

安井曽太郎はロダンは汚い。素直に描けと言う。
そして、やはりゴッホの純情には惹かれる。

若く勉強家の彼は自分のいく末を思い苦しむ。

ごく身近な友人が狂って自殺をする。

絵を描き続けることは苦しむことだ。

キリスト教会に行っても救いを得ない。しかし、苦しみは恵みだと言う。

私もそう思う。

苦しみがないと魂が磨かれない。

小島さんは誰からまなんだと言う風でなく素性がいいのだ。
14歳の妹が親戚の紹介で饂飩屋に奉公に出され誘拐され殺されてしまう。

母親は裁判で犯人に罵ってやると憤るが、小島さんは犯人も地獄に落ちて改心しているだろうし、妹も好きだったと好かれていたといい時間があったと思いたいと言う。
、絵を描くために17歳でやめるときも親戚は今までの給金を払わず住み込みの労働着もおいていけと言う。

親戚の人間性のことも詳しくかかれている。小学校を中退しでっちとして、親戚の醤油屋で働き世間の辛苦を見る。貧しい人がしっかりと醤油代金を払っている。

この青年の心根は非凡で、この後に美術学校へいかせてくれる人が現れたりパリに行かせてくれる人が現れる。

24歳にして絵も完成しているとも言われる。

母親は娘を殺され酒乱の父親にいつも脅かされている。病気で臥せっている妻の布団に火をつけるような夫も働き者ではあるが体をこわし、死ぬ直前には「他人のために尽くしたかった。」と自分の人生の懺悔をする。

人間の世界はどこかつじつまがあっている。

この本の批評を書いた人が、こんなに素直な人がよくこのせちがらい世界で名を残せたとかいているが、とても勤勉ですからね。
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